印刷に関する用語
Tシャツの印刷について知ろう
このページではTシャツの印刷に関する用語を集めて説明しています。
オリジナルTシャツを作成・注文する前に一度は目を通しておきましょう。
捺染(なせん、なっせん)
型付けや型染めによって、織物などに染料、または顔料でデザインを染め出す手法のこと。
シルクスクリーン・プリント(捺染)
染色法の一種で、一般的にTシャツのプリントに最も多く使われている手法だ。大まかな流れとしては、デザイン1色毎にシルクスクリーンの版を制作し、その版にインクを入れ専用のスキージで生地に直接刷りつけていく。多色プリントの場合は。その工程を色数分繰り返す。その後、ベーキングと呼ばれる熱、乾燥処理を施すことでインクが定着する。一般的に水性、油性の大きく分けて2種類のインクがTシャツ用として用いられている。制作枚数にかかわらず製版代がかかるために、特に多色プリントやプリント箇所が多いデザイン、または小ロットの場合には版代償却コストがネックになることもある。
水性インク(顔料、ラバー)
風合いが比較的良好なことが特徴で、特にEU圏や日本ではTシャツ用として使用率が年々増加している。また国産インクメーカーの努力により、この10年でかなりの進化を遂げ、表現力や作業性も向上している。その他、版の洗浄が水でできるため石油系溶剤が不要なこと、ダイオキシン類発生のおそれが無いこと、非アルキルフェノール型インクが開発されたことなどから、作業従事者への負担や、環境負荷が少ないということも評価されている。ただし現状では、油性インクと比較した場合、版詰まりを起こしやすく再現性の限界がある点や、先に刷ったインクが乾かない状態で、次のインクを刷り重ねられないために機械印刷には不向きであること、水性とはいえインク特有の匂い(※1)があることなどといった改良課題は残っている。
(※1)洗濯することにより軽減する。
油性インク(アメリカンラバー、プラスチゾル)
作業性が良く、機械印刷での大量生産が可能で、しかも版詰まりがおきにくく非常に細密な表現が可能。Tシャツのプリントに適した要素が多いため、Tシャツの本場であるアメリカでは、多くの工場でこの油性インクが用いられている。ただし、塩ビベースの油性インクの問題点として、臭気が多く、版の洗浄などに石油系溶剤も使用するため、作業従事者へ防護マスクや換気など充分な配慮が必要で、その他にも焼却時のダイオキシン類の発生の可能性があるなどの問題点もある。
フロッキー・プリント
一見するとフェルトが貼ってあるように見え、つやはなくマットな感じに仕上がる手法のこと。あらかじめ転写シートに加工されたものを熱圧着させる方法や、糊をスクリーンでプリントした上にフロッキーシートを熱圧着させる方法、植毛フロッキー、以上の3通りが一般的だ。
カラーコピー転写
製版が必要ないためオリジナルでTシャツを1枚でも気軽に作るというニーズに合う気軽なプリント加工法のこと。カラーコピー機を使用してコピーした糊のついた転写紙を、Tシャツへ熱圧着させる。デメリットとしてデザイン部分以外の個所に不要な糊部分が残ったり、何かを貼り付けたような風合いになり、洗濯に多少弱いということが挙げられる。
デジタルコピー転写(通称)
上記のカラーコピー転写の短所である、デザイン部分以外の糊残り、および洗濯堅ろう度の弱さを解決するために考案された手法のこと。カラーコピー機でコピーした専用紙に、デザイン部分のみに専用糊をスクリーンでプリントし、その後、転写紙をTシャツに熱圧着する。使用する糊も、通常の転写マーク用のものを使用するため、洗濯強度も強化されている。版は白地の場合1版(糊用)、色地の場合2版(糊用、隠蔽用白ベタ版)が必要となる。
昇華転写
あらかじめ染料インクを、転写紙にインクジェットプリンターで印字したものを、Tシャツにあてて熱加工する。その際に気化したインクを化学繊維に染める手法のこと。非常に細かな表現が可能で、特に写真やCGのプリントに好適で、洗濯にも強く、製版も必要としないなどメリットも多い。ただし、綿素材には加工ができないため、一般的には表面ポリエステル、裏面綿のT/Cの生地を使用した昇華転写プリント用に製作されたTシャツに使用が限定されている。
インクジェット・ダイレクト・プリント
専用インクジェット・プリンターで染料インクまたは顔料インクをTシャツの生地に直接プリントする手法。製版が不要で、ぼかしやグラデーションや写真など細密な表現やスクリーン・プリントでは、プリントが難しい縫い目の段差部分などにもプリントが出来るなどといった長所が多くて、これから期待できる新らしい技術だ。ただし、まだ普及台数が少なく、プリントスピードも限界があるために加工コストは高めとなっている。
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Last update:2023/4/19